2027年4月から、国のたばこ税が3段階で引き上げられます。紙巻や加熱式の値上げの話題が多いなか、「シーシャのフレーバーはどうなるのか」「仕入れはいつ、どれくらい変わるのか」というご質問を、卸の現場でもいただくようになりました。
結論からお伝えします。シーシャ用フレーバーも増税の対象で、税額は1gあたり0.5円ずつ、3段階で合計1.5円増えます。
ただし、店頭の定価がいくら変わるかは、輸入業者の申請で決まります。
増税日をまたいで在庫を積み増すと、手持品課税の対象になる可能性もあります。
この記事では、財務省・国税庁・法令の一次資料だけをもとに、シーシャ店の仕入原価への影響と、今から準備しておくことを整理します。
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結論:2027年から何が変わるのか
国のたばこ税が、2027年・2028年・2029年の各4月1日に、1本あたり0.5円ずつ上がります。
防衛力強化の財源として、令和7年度税制改正で決まり、令和7年3月31日に法律(令和7年法律第13号)として成立しています。
| 実施日 | 国のたばこ税(1,000本あたり) | 1本あたりの増加(累計) |
| 2027年(令和9年)4月1日 | 7,302円 | +0.5円 |
| 2028年(令和10年)4月1日 | 7,802円 | +1.0円 |
| 2029年(令和11年)4月1日 | 8,302円 | +1.5円 |
現行の本則税率は1,000本あたり6,802円。出典:財務省「所得税法等の一部を改正する法律案要綱」。
引き上げられるのは国のたばこ税だけです。財務省の資料には「税率引上げは国税のみ」と記載されています。
たばこ特別税や地方たばこ税は、この引き上げの対象ではありません。
シーシャ用フレーバーは「パイプたばこ」として課税される
シーシャ用フレーバーは製造たばこです。財務省が公告する小売定価の認可では、シーシャ用の銘柄が「パイプたばこ」の区分で認可されています(例:2026年9月4日認可の公告)。
たばこ税は紙巻たばこの本数を基準にしていて、紙巻以外は重さで本数に換算します。たばこ税法第10条では、パイプたばこは1gを紙巻1本として数えると定められています。
つまり、シーシャ用フレーバーは重さに比例して税額が決まります。100gの缶なら、紙巻100本分のたばこ税がかかっている計算です。

2026年の加熱式たばこの見直しは、シーシャには関係しない
2026年4月と10月には、加熱式たばこの課税方式が見直されました(スティック型とそれ以外に分け、重量で換算し直すなど)。
ただし国税庁の説明では、加熱式たばこから「水パイプで喫煙するための製造たばこ」は除かれています。
シーシャが影響を受けるのは、2026年の加熱式の見直しではなく、2027年からの国のたばこ税の引き上げです。
仕入原価への影響:1gあたり0.5円ずつの税額増
1gが1本に換算されるので、1本あたり0.5円の引き上げは、そのまま1gあたり0.5円の税額の増加になります。容量ごとに計算すると、次のとおりです。
| 容量 | 2027年4月〜 | 2028年4月〜(累計) | 2029年4月〜(累計) |
| 1台分(15g) | +7.5円 | +15円 | +22.5円 |
| 30g | +15円 | +30円 | +45円 |
| 50g | +25円 | +50円 | +75円 |
| 100g | +50円 | +100円 | +150円 |
| 250g | +125円 | +250円 | +375円 |
| 1kg | +500円 | +1,000円 | +1,500円 |
国のたばこ税の増加分だけを計算した目安です。消費税は含みません。店頭の小売定価の改定額ではありません。
ここは誤解しやすい点です。表は税額の増え方を示したもので、小売定価がこの額だけ上がるとは限りません。定価をいつ、いくらに変えるかは、輸入業者が財務大臣に申請して認可を受けることで決まります。
1台に15gを使う店なら、税額の増加は計算上1台あたり7.5円ずつです。3段階をすべて合わせても22.5円で、1台の提供価格から見れば大きな額ではありません。むしろ気をつけたいのは、次に説明する定価の一斉改定と手持品課税です。
小売定価はどう変わるのか
製造たばこは、銘柄ごとに財務大臣の認可を受けた小売定価で売られます。仕組みは、たばこ事業法で次のように定められています。
- 第33条:輸入業者(特定販売業者)は、品目ごとに小売定価を定めて財務大臣の認可を受ける。定価を変えるときは、実施の時期を定めて、あらかじめ認可を受ける
- 第35条:認可された定価は財務大臣が公告する
- 第36条:小売販売業者は、認可された小売定価で販売しなければならない
- 第37条:小売定価を営業所に掲示する

財務省の案内では、定価の変更の申請は変更を実施する日の30日以上前に行うことになっています。つまり定価の改定は、実施日より前に決まり、公告されます。
卸の現場から
当社はシーシャ用フレーバーの業務用卸として、仕入元から定価改定の連絡を受けています。これまでの運用では、改定の連絡は改定日より前に届き、旧製品を含めて一斉に価格が改定されてきました。2026年に入ってからも、仕入価格は上がる方向にあると感じています。
条文の読み方としては、改定日以降は新しい定価で販売することになります。ただし、改定日より前に仕入れた在庫の扱いを明記した一次資料は確認できませんでした。個別の扱いは、仕入元や所轄の窓口に確認してください。
駆け込み仕入れの落とし穴:手持品課税
「増税前にまとめて仕入れておけば得をする」と考えるのは自然です。ただし、製造たばこには手持品課税という仕組みがあります。
手持品課税は、税率が上がる日に、販売のために一定数量以上の製造たばこを持っている事業者に、上がった分の税をかけるものです。2027年からの引き上げでも、手持品課税を行うことが法律案要綱に書かれています。

過去の手持品課税(2018〜2021年の引き上げ)
2027年分の具体的な基準はまだ公表されていません。参考として、前回の引き上げでの内容をまとめます。
- 対象:販売のために所持する小売販売業者・卸売販売業者・特定販売業者・製造者
- 基準:20,000本以上(20,000本ちょうども含む)
- 数え方:会社ごとに、複数の場所の在庫を合計して判定
- 課税の範囲:基準を超えた分だけでなく、在庫の全部に課税
| 手持品課税の日 | 申告期限 | 納期限 |
| 2018年(平成30年)10月1日 | 2018年10月31日 | 2019年4月1日 |
| 2020年(令和2年)10月1日 | 2020年11月2日 | 2021年3月31日 |
| 2021年(令和3年)10月1日 | 2021年11月1日 | 2022年3月31日 |
出典:国税庁「たばこ税の手持品課税に関するQ&A」(平成30年度改正)。2027年分の基準数量・期限は未公表。
パイプたばこは1gを1本と数えるので、20,000本は計算上約20kgに当たります。ただし、手持品課税の判定にこの換算がそのまま使われるかは、明文では確認できていません。
月に10kg以上フレーバーを使う店や、複数店舗で在庫をまとめて持つ事業者なら、増税日に基準を超える在庫を抱えることは十分に考えられます。自社が対象になるかは、国税庁の案内が出たら必ず確認し、所轄の税務署に相談してください。
シーシャ店が今から準備しておくこと
- 3つの日付をカレンダーに入れる:2027年4月1日・2028年4月1日・2029年4月1日
- 定価改定の連絡を確実に受け取れるようにする:仕入元の連絡先と、連絡が届く手段を確認しておく
- 1台あたりの原価を計算し直す:税額の増加は1台15gで7.5円ずつが目安。実際の定価改定の額が分かった時点で置き換える
- 増税日をまたぐ在庫量を把握する:駆け込みで積み増すと手持品課税の対象になる可能性がある。通常の回転量を基本にする
- 仕入先を整理する:原価が上がる局面では、仕入れの手間と送料の重複が効いてくる。仕入れ先をまとめられるかを見直す
業務用の仕入れ・お取り扱いについて
Shisha Amigo(AMIGO合同会社)は、製造たばこの小売販売業の許可を受けた事業者として、シーシャ用フレーバーとシーシャ用品の業務用卸を行っています。
増税をまたぐ時期の仕入れ量の考え方や、仕入れ先をまとめたいといったご相談も承っています。業務用卸は一定の数量からのお取引となりますので、店舗名・ご希望の商材・想定数量をあわせてお知らせください。
卸売りの詳細は シーシャ用品の卸売りページ をご覧ください。
よくあるご質問
- Qシーシャ用フレーバーも2027年のたばこ税増税の対象ですか?
- A
対象です。引き上げられる国のたばこ税は製造たばこ全般にかかり、シーシャ用フレーバーは財務省の公告で「パイプたばこ」として認可されています。パイプたばこは1gを紙巻1本に換算するため、税額は1gあたり0.5円ずつ増えます。
- Q2026年の加熱式たばこの課税見直しはシーシャに関係しますか?
- A
関係しません。国税庁の説明では、加熱式たばこから「水パイプで喫煙するための製造たばこ」は除かれています。シーシャに影響するのは、2027年4月からの国のたばこ税の引き上げです。
- Q増税前に買いだめすれば安く仕入れられますか?
- A
おすすめしません。小売販売業者は認可された小売定価で販売する決まりがあり、定価は改定日に切り替わります。また、税率が上がる日に一定数量以上を販売のために持っていると、手持品課税の対象になる可能性があります。通常の回転量を基本にしてください。
- Q1台あたりの原価はどれくらい上がりますか?
- A
国のたばこ税の増加分だけで計算すると、1台15gなら1段階あたり7.5円、3段階の合計で22.5円です。ただしこれは税額の目安で、実際の小売定価の改定額は輸入業者の申請で決まるため、同じ額になるとは限りません。
- Q手持品課税の基準はどれくらいですか?
- A
2027年分の基準数量と期限はまだ公表されていません。前回(2018〜2021年)の基準は20,000本以上で、会社ごとに在庫を合計して判定し、基準を超えると在庫の全部に課税されました。自社が対象になるかは、国税庁の案内と所轄の税務署で確認してください。
まとめ
- 国のたばこ税は、2027年・2028年・2029年の各4月1日に1本0.5円ずつ、合計1.5円上がる(国税のみ)
- シーシャ用フレーバーはパイプたばことして、1gを1本に換算して課税される。税額は1gあたり0.5円ずつ増える
- 2026年の加熱式たばこの見直しは、水たばこには関係しない
- 小売定価の改定額は輸入業者の申請で決まり、実施日より前に公告される。税額の増加と同じとは限らない
- 増税日に一定数量以上の在庫を持つと、手持品課税の対象になる可能性がある。2027年分の基準は未公表
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本記事で参照した一次情報・出典
- 財務省「令和7年度税制改正の大綱」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/07taikou_06.htm
- 財務省「所得税法等の一部を改正する法律案要綱」 https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/217diet/st070204y.html
- 参議院「議案情報(所得税法等の一部を改正する法律案)」 https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/217/meisai/m217080217001.htm
- 財務省「たばこ税等の税率」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d09.htm
- 国税庁「加熱式たばこの課税方式の見直し」 https://www.nta.go.jp/information/other/data/r08/tabacco/03.htm
- 国税庁「加熱式たばこの定義(水たばこの除外)」 https://www.nta.go.jp/information/other/data/h29/tabacco/03.htm
- 国税庁「たばこ税法取扱通達」 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/tabako/03.htm
- e-Gov法令検索「たばこ税法」(第10条) https://laws.e-gov.go.jp/law/359AC0000000072
- e-Gov法令検索「たばこ事業法」(第33条・第35条〜第37条) https://laws.e-gov.go.jp/law/359AC0000000068
- 財務省「製造たばこの小売定価の変更の認可」 https://www.mof.go.jp/policy/tab_salt/tobacco/tobacco_teika_henkou.html
- 財務省「製造たばこの小売定価の認可(令和8年9月4日)」 https://www.mof.go.jp/policy/tab_salt/topics/20260904_kouriteika.pdf
- 国税庁「たばこ税の手持品課税(平成30年度改正)」 https://www.nta.go.jp/information/other/data/h30/tabacco/01.htm
- 国税庁「たばこ税の手持品課税に関するQ&A」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/kansetsu/tabacco_qa_h30.pdf
※本記事は2026年9月時点で確認できた制度の概要をまとめたものです。手持品課税の基準や申告の要否など、個別の判断は国税庁の案内と所轄の税務署にご確認ください。当社は税務上の判断を代行する立場にはありません。
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