はじめに:シーシャ業界はいま転換期を迎えている
2022年以降、日本のシーシャ市場はかつてないスピードで拡大しました。
SNS映えする演出やノンニコチン製品の普及により、若年層や女性層にも人気が広がり、今では全国47都道府県すべてにシーシャ提供店が存在します。
しかし2025年現在、業界は“量の拡大”から“質の競争”へとシフト中。
健康志向の高まり、法規制の見直し、そして新しい嗜好性の登場により、シーシャ文化は新たな局面を迎えています。
シーシャ市場の現状と急成長の背景(〜2024年)
2022年春の調査によると、全国のシーシャ提供店は約1,013店に達し、東京都だけで368店。
これは大阪府(106店)の3倍以上であり、スターバックス(381店)に匹敵する店舗数です。
人気拡大の背景には、以下の3つの要素があります👇
- SNS映えする文化的魅力:
アンティーク調の器具やカラフルな煙が「チル」な雰囲気を演出。 - タバコ離れ世代の新嗜好:
ノンニコチン・CBDフレーバーの登場で非喫煙層も流入。 - リラクゼーション需要の増加:
在宅勤務・ストレス社会の中で「深呼吸の場」として注目。
1台あたりの価格帯は、2,500〜3,000円(チャージ含む)が主流で、カフェ感覚で利用できる“体験型リラクゼーション”として定着しています。
2025年のシーシャ業界トレンドTOP5
2025年のシーシャ業界を読み解く上で注目すべきは、次の5大トレンドです👇
トレンド①:健康志向とノンニコチン製品の拡大
今、最も注目されているのが「ノンニコチン市場」。代表格であるDecloud(デクラウド)は、果実やオーガニックシロップを原料にした無添加・ノンタールフレーバーとして人気を集めています。
特に「白ぶどう」「ジャスミン」などのフレーバーは女性人気が高く、「タバコを吸わないけどシーシャは楽しみたい」という層を取り込む要因に。
2025年はさらに、国産・無添加・CBD・漢方系など「美容×リラクゼーション」をテーマにしたフレーバー開発が進むと予想されています。
トレンド②:ダークリーフの人気拡大と専門店の台頭
ダークリーフとは、タバコ葉を洗わずに製造する高ニコチンタイプのシーシャ。
代表的なブランドにはTangiers(タングジアーズ)やDarkSideなどがあり、濃厚な香りと強いキック感が特徴です。
上級者向けながら、2024年以降は愛好家のコミュニティが活発化し、試煙会やセッティング勉強会などのイベントが全国各地で開催されています。
この流れは、「軽いノンニコ」vs「重いダークリーフ」という両極化した嗜好市場の拡大を象徴しています。
トレンド③:地方展開と観光地でのシーシャ体験
都市部に集中していたシーシャバーが、地方都市・観光地へ急拡大中。
インバウンド需要の回復も追い風となり、ホテルラウンジ・温泉地・宿泊施設での「シーシャ体験コーナー」設置が進んでいます。
自治体が空き店舗対策として誘致を行うケースも増え、“観光×シーシャ”の新市場が形成されつつあります。
トレンド④:異業種コラボと体験型イベントの台頭
「シーシャ×サウナ」「シーシャ×音楽フェス」「シーシャ×カフェ」など、異業種コラボが全国で増加中。
特に音楽イベントやアートフェスでは、シーシャが“非日常体験の演出装置”として人気を博しています。
この傾向は「チル文化」の象徴として、若年層のライフスタイルに深く根付きつつあります。
トレンド⑤:専門性とブランド力の強化
店舗数の急増により、「どこも似たような店」という課題が浮上しています。
2025年以降は“量から質”への転換期。
各店が独自の看板フレーバーや空間演出を磨き、スタッフの専門知識(フレーバーミックス技術、機材理解)を武器にブランド化を進めています。
今後は、“フレーバーソムリエ”のような専門人材が評価される時代になるでしょう。
シーシャ業界の法規制と許認可の最新情報(2025年版)
シーシャは「パイプ用たばこ」に分類され、たばこ小売販売業許可が必要です。
これは、ノンニコチン製品(例:Decloud)であっても変わりません。
理由は、器具そのものが“喫煙具”扱いとなるためです。
✅ 主な法的ポイント:
- 20歳未満の入店・利用は禁止(未成年喫煙防止法)
- 出張販売・イベント提供にも販売許可が必要
- 無許可営業・未登録フレーバー提供は行政指導対象の可能性あり
財務省は2025年以降、監視体制をさらに強化予定。
経営者は「合法仕入れルート」「明示された販売許可番号」を確実に整備しましょう。
シーシャバー経営者が今すぐ取り組むべき4つの戦略
1️⃣ 看板フレーバーの品質を極める
人気メニューを固定化し、毎回同じクオリティで提供。
2️⃣ パーソナル接客の導入
来店履歴や好みを記録し、次回提案に活用。
3️⃣ 法令順守と安全管理の徹底
仕入れ先・許認可・防火対策をクリアに。
4️⃣ スタッフ教育・モチベーション向上
技術講習・フレーバー知識の共有を強化。
まとめ:2025年のシーシャ業界は“体験価値と信頼性”の時代へ
2024年までのシーシャ市場は「店舗数の増加」で成長しましたが、2025年以降は健康志向・体験価値・専門性の3軸が鍵となります。
ノンニコチンの拡大によりライト層が増える一方、ダークリーフなどコア層の深化も進み、市場の多様化が進行中。
今後成功する店舗は、「法令遵守 × 品質 × 接客 × ブランド力」を兼ね備えた“信頼される店”です。
📩 仕入れ・導入相談は当社へお気軽にご相談ください👇
よくある質問(FAQ)
Q1. シーシャバーを開業するには何の許可が必要?
→ 財務省の「たばこ小売販売業許可」が必要です。ノンニコチンでも器具が対象。
Q2. ノンニコチン製品なら未成年でもOK?
→ NGです。喫煙具に分類されるため20歳未満は禁止。
Q3. ダークリーフの提供に特別な許可は?
→ 通常の販売許可で提供可能ですが、仕入れルートと税関登録を確認しましょう。
Q4. シーシャ業界は今後どうなる?
→ 健康志向・専門性・ブランド価値の3要素で「選ばれる時代」へ。
