はじめに|この記事でわかること
本記事は、シーシャバーの初期費用・設備投資の目安と資金計画【2025年版】を、誰でも判断できる形に整理しました。
「いくらかかる?」「何から決める?」「法令は?」に、数字・表・根拠で答えます。
初期費用の全体像:4つの箱で考える
初期費用は次の4箱で決まります。前提(席数・回転・営業時間)を最初に固定しましょう。
1. 運転資金:固定費(家賃・人件費・光熱)3〜6か月分を別枠で
2. 物件取得費:賃料×敷金/保証金+礼金+仲介+保証会社
3. 内装・設備:換気/排煙・給気・ダクト・電気容量・給排水・内装デザイン
4. 機材・初期在庫:本体/ボウル/HMD/炭/電熱器/消耗品

主要コストの目安と注意点(相場感まとめ)
数値は立地・規模・仕様でブレます。見積り前提を同条件にそろえて比較してください。
| 区分 | 目安/レンジ | 重要ポイント |
|---|---|---|
| 物件取得 | 賃料×敷金/保証金(数か月)+礼金/仲介/保証 | ダクト経路・電気容量は後工程(換気コスト)に直結 |
| 内装・設備 | スケルトン:坪30〜60万 / 居抜き:坪20〜35万 | 換気/排煙は後回しNG。開口・経路・静音まで設計 |
| 機材・初期在庫 | 後述(本体/ボウル/HMD/炭など) | 「再現性」を握るのはボウル×HMD |
| 運転資金 | 固定費3〜6か月分(理想は半年〜1年) | 給与・家賃・光熱を別口座で管理し取り崩す |

機材の最新相場と“外さない”選び方(2025年)
本体(パイプ)
- 入門:2〜3万円
- 中位:3〜5万円(基準器におすすめ)
- 高級:5〜10万円
※ブランド・素材・付属の有無で前後
ボウル(味の再現性の要)
- 普及帯(素焼き/エジ系):¥1,500〜¥3,000
- Oblako:モデルにより¥4,620例
- Alpaca:国内実売¥7,000帯の例
→ 複数形状をもつと、フレーバーに最適化しやすい
HMD(ヒートマネジメント)
- Kaloud(純正):国内正規約¥9,500(耐久・再現性◎)
- 互換/廉価帯:¥2,000〜(個体差・耐久は“価格なり”)
→ 基準器=純正、繁忙は互換で補完がコスパ良
炭・熱源
- ココナッツ炭:1kg ¥1,000〜¥1,500(銘柄差)/10kg箱が定番
- 電気バーナー(1000W級):¥4,000前後例(業務耐久を要チェック)
最小構成(12席・回転重視の一例)
- 本体12台(中位中心)
- ボウル多種×席回転分(普及帯+Oblako/Alpaca)
- HMDは純正を基準器+互換で補完
- 炭は10kg箱で在庫最適化
- ディスポマウスピースは潤沢に(衛生・体験の根幹)

法令・許可のポイント(2025年版・必ず確認)
受動喫煙対策(健康増進法)
屋内喫煙室は出入口で室外→室内へ0.2m/s以上の気流、区画・排気の確保が技術基準です。測定・設計段階で要件を満たす計画を。 東京都保険医療情報
深夜酒類提供飲食店の届出
0〜6時に酒類中心で提供するなら、所轄警察へ届出が必要(様式・記載例あり)。開業前に手続と図面要件を確認しましょう。 警視庁
酒類提供と免許の考え方(店内/持ち帰り)
店内で飲用に供するだけなら免許不要。ただしテイクアウト等の販売は酒類販売業免許が必要です。 国税庁
併せて、保健所の飲食店営業許可・消防(設備/図面)も計画初期に必ず相談を。

資金調達とキャッシュ計画(日本政策金融公庫)
新規開業・スタートアップ支援資金のポイント
- 原則:無担保・無保証
- 利率引下げ:一律0.65%(条件あり)
- 返済期間:設備20年以内/運転10年以内(据置最長5年)
→ 立ち上げ期のキャッシュ圧を据置で吸収する設計が定石です。
その他:自治体の空き店舗補助/一部リース/クラファン(PR+前受金)で初期キャッシュを厚く。
コスト削減の優先順位(削る所・削らない所)
- 良い居抜き+ピンポイント改修(換気・電気容量・給排水は先に確定)
- 中古什器/リース活用(特に音響・家具は相性良)
- 機材は“中位×少数精鋭”、ボウル&HMDに投資して再現性確保
- 消耗品の単価管理(炭・ガスケット・ブラシの破損率を月次で見える化)
変えが利かないのは換気/排煙・安全備品・基準器(HMD)。ここは削らない。
開業準備:30日アクションプラン(週次)
Week 1|物件&法的要件の確認
- 席数・回転から必要風量を概算
- 保健所/消防/警察へ事前ヒアリング(喫煙室・深夜届出・図面要件)
Week 2|物件選定&内装見積り
- 候補2〜3件を現地査定(ダクト経路・電気容量を重点確認)
- 同条件で内装3社に見積依頼→比較
Week 3|機材リスト確定&仕入れ準備
- 本体は中位モデルを基準、ボウルは複数形状、HMDは純正+互換
- 卸口座を開設し在庫状況を確認
Week 4|資金計画&安全備品
公庫へ事業計画(資金使途・据置)を提出
CO警報器・消火器・喫煙標識・年齢確認体制を先行手配
チェックリスト(保存版)
・安全・法令:CO警報器/消火器/喫煙標識/ID確認/深夜届出
・内装:換気/給気/排煙・遮音・照明・席レイアウト
・提供機材:本体/ホース(洗浄可)/ボウル/HMD/トング/耐熱マット
・消耗品:ココナッツ炭/電気バーナー/ディスポマウスピース/ガスケット
・衛生:洗浄ブラシ/除菌剤/乾燥ラック
まとめ|数字が残る店の考え方
・資金は日本政策金融公庫の20年/10年・据置最大5年を活用し、立ち上げの資金繰りをなめらかに。
・初期費用は物件・内装(換気/排煙)・機材・運転資金の4箱で設計
・換気/排煙は後回しにしない(喫煙室は0.2m/sの気流確保が基準) 東京都保険医療情報
・機材は中位×少数精鋭+ボウル/HMDで再現性を上げる
・運転資金は3〜6か月分を別枠で確保
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