中国から日本へ商品を輸入する際、送料は仕入れ価格と同じくらい利益を左右する要素です。
「仕入れ単価は安かったのに、送料で利益が吹き飛んだ…」という失敗談は珍しくありません。
この記事では、船便と航空便の違い、送料を安くするポイント、さらに最新の運賃実例を交えて解説します。
船便と航空便の基本的な違い
項目 | 船便(海上輸送) | 航空便(空輸) |
---|---|---|
輸送日数 | 約10〜20日 | 約1〜3日 |
コスト | 安い(大量・重量貨物向き) | 高い(軽量品も体積課金で割高) |
適している商品 | 大量・重量物・低単価商材 | 小ロット・高単価・緊急性の高い商材 |
リスク | 遅延・港湾コスト | 燃油サーチャージ・体積重量課金 |
- 船便:コスト重視、大量輸送向け
- 航空便:スピード重視、小ロット・高単価向け
船便を使うメリットとデメリット
メリット
- 大量輸送でも単価が安い
- コンテナ貸切(FCL)ならさらに割安
- 運賃が安定している
デメリット
- 輸送に時間がかかる(10〜20日)
- 港湾費用や国内配送費が別途発生
- 混載便(LCL)は遅延リスクあり
航空便を使うメリットとデメリット
メリット
- 圧倒的な速さ(最短1〜3日)
- 在庫リスクを減らせる
- 紛失・破損のリスクが比較的低い
デメリット
- 送料が高額(数ドル/kg)
- 体積重量課金で大きくて軽い荷物は割高
- 燃油サーチャージが変動する
送料を抑えるための基礎知識:体積重量と課金重量
航空便では 「実重量」と「体積重量」 を比較し、重い方で課金されます。
体積重量(kg)の計算式例:
縦(cm) × 横(cm) × 高さ(cm) ÷ 6000
例:60cm × 40cm × 40cm ÷ 6000 = 16kg
実重量が10kgなら、課金対象は16kgになります。
👉 梱包を効率化して「体積重量」を下げるのが送料削減の鍵です。
実例:中国 → 日本 航空便運賃の目安(2025年最新)
以下は標準的な混載便を使った場合の見積もり例です(燃油・空港使用料は別途)。
出発地 | 荷物量 | 運賃(USD/kg) | 出典 |
---|---|---|---|
上海 → 日本 | 100kg | USD 2.80/kg | Tonlexing |
上海 → 日本 | 300kg | USD 2.50/kg | 同上 |
深セン → 日本 | 100kg | USD 2.90/kg | 同上 |
広州 → 日本 | 100kg | USD 2.85/kg | 同上 |
北京 → 日本 | 100kg | USD 3.00/kg | 同上 |
一般相場 | — | USD 3〜8/kg | Basenton |
💡 このように 2.5〜3.0 USD/kg 前後 が標準的ですが、
- 荷物の重量(小口は割高)
- 出発地(地方空港は高額になりやすい)
- 体積重量(大きくて軽い荷物は課金増)
- 繁忙期(春節・セール期は高騰)
といった条件で変動し、実際には USD 3〜8/kg のレンジになることもあります。
船便で送料を抑えるコツ
- FCL優先:ロットが多いなら混載より割安
- 近い港を利用:国内配送費を削減
- 繁忙期を避ける:春節・国慶節は高騰しやすい
- 梱包効率化:隙間をなくし容積を減らす
航空便で送料を抑えるコツ
- 混載便を活用:複数顧客の荷物をまとめて割安に
- 軽量化:梱包材を工夫し体積重量を抑える
- 貨物便と旅客便を比較:条件によりコスト差が出る
- 長期契約で割引交渉:定期利用なら単価を下げられる
ケース別の使い分け
ケース | 選ぶべき輸送手段 | 理由 |
---|---|---|
急ぎで販売開始したい | 航空便 | 最短1〜3日で到着 |
大量・重量商品 | 船便(FCL) | コスト効率が高い |
少量だがかさばる | 船便(LCL) | 航空便だと体積重量で割高 |
高単価・壊れやすい | 航空便 | 丁寧に扱われやすい |
よくある質問(FAQ)
Q1. 小ロットなら航空便一択ですか?
→ 必ずしもそうではありません。体積が大きいと航空便は割高になります。
Q2. FCLとLCLの違いは?
→ FCLはコンテナ貸切で大量向け。LCLは少量向けだが遅延リスクあり。
Q3. 見積もりより高くなるのはなぜ?
→ 港湾費用、燃油サーチャージ、通関費などを見落とすケースが多いです。
Q4. 混載便は安全ですか?
→ 遅延や取扱いリスクは増えますが、信頼できるフォワーダーを選べば十分活用可能です。
Q5. DDP契約は送料削減につながりますか?
→ 関税込みで便利ですが、割高になることも。条件比較が必要です。
Q6. 輸送保険は必要ですか?
→ はい。破損や紛失リスクを考えると加入を強く推奨します。
まとめ:中国輸入の送料を安く抑えるコツ
- 船便は「大量・安さ重視」、航空便は「小ロット・スピード重視」
- コスト削減には「体積重量の最適化」「混載便の活用」「繁忙期回避」が重要
- 最新相場を把握し、複数のフォワーダーから見積もりを取ることが利益確保の鍵
👉 結論:輸送手段の正しい選択と工夫が、輸入ビジネスの利益を守る最大のポイントです。
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