中国から商品を仕入れるとき、もっとも重要なのが「検品」です。

なぜなら、どれだけ安く仕入れても、不良品や規格外品が多ければ利益どころか赤字になってしまうからです。

検品には大きく分けて「自社検品」と「第三者検品」の2つの方法があります。

この記事では、それぞれの違いやメリット・デメリット、費用やリスクの考え方まで、実務で役立つ形で整理しました。

なぜ検品は“コスト”ではなく“利益”なのか?

検品を外すと…

  • 不良品が市場に流れる
  • クレームや返品対応で赤字に
  • ネットのレビューが下がり、販売が失速

こうした損失は、最初に少し検品コストをかけていれば防げるものばかりです。

つまり検品は「余計なコスト」ではなく「最初の利益を守る投資」なんです。

中国輸入でよくある品質リスク

たとえばこんなケースがあります:

  • デザイン図面と実際のサイズが違う
  • 材料が勝手に変更されている
  • 出荷直前に梱包が雑で破損
  • ラベルや安全表示が法律違反

こうしたトラブルを出荷前に見つけるか、それともお客様から指摘されるかで結果は大きく変わります

検品にはいろいろな段階がある

検品と一口に言っても種類があります:

  • 受入検査(IQC):材料を仕入れた時点でチェック
  • 工程検査(IPQC):製造途中の品質確認
  • 出荷前検査(PSI):完成後に抜き取りチェック
  • コンテナ監査:最終梱包や数量を確認

このように「どこで検品するか」で結果が変わるため、スケジュールに応じた検品計画が大切です。

自社検品と第三者検品の違い

自社検品

  • 自分たちや自社スタッフが現場で検査
  • 自社のこだわりを細かく反映できる
  • 検査基準が属人的になりやすい

第三者検品

  • 検査会社や専門機関に依頼
  • 標準化された手順で客観的
  • コストはかかるが、再現性が高い

👉 例えるなら…

  • 自社検品 = 家庭料理(自分の好みに合わせられるが、手間と技術が必要)
  • 第三者検品 = プロのレストラン(お金はかかるが安定した品質が出る)

検品チェックリストを作ろう

検品を成功させるには「検査する人によって基準が変わらない」ことが重要です。

そのためには、チェックリストを作って数値で基準を決めましょう。

例:

  • サイズ:30cm ±2mm
  • 重さ:500g ±10g
  • 印刷:文字つぶれなし
  • 色:サンプル基準とΔE≦2.0

数字で明記することで、誰が見ても「合格/不合格」が一目でわかるようになります。

費用感と時間の考え方

  • 検品費用は 1日あたり数万円〜 が相場
  • 不良品の発覚が遅れると、返品や再加工で何十万円〜何百万円の損失
  • 出荷前には最低でも 1〜3日の検品バッファ を入れると安心

👉「検品費用と不良リスク、どちらが高いか」で判断するとスッキリします。

費用シミュレーション:検品あり/なしでどれだけ違う?

例:ロット2,000個、商品単価2,000円、粗利500円

  • 検品費用:5万円(1日+旅費などを想定)
  • 不良率:検品なし=5%、検品あり=1%

シナリオ① 検品なし

  • 出荷:2,000個
  • 不良:100個(5%)
  • 損失:100個 × 500円(粗利) = 5万円の損失
  • さらに返品対応やレビュー低下のリスク大

シナリオ② 検品あり

  • 出荷:2,000個
  • 不良:20個(1%)
  • 損失:20個 × 500円 = 1万円の損失
  • 検品費用:5万円
  • 合計コスト:1万円 + 5万円 = 6万円

比較表

項目検品なし検品あり
不良数100個20個
損失額5万円1万円
検品費用0円5万円
合計コスト5万円6万円
ブランド・レビューリスク高い低い

結論

一見「検品あり」の方がコストが高く見えますが、実際には レビュー低下による売上ダウンや返品対応コスト を考えると、検品した方が長期的には得です。

特にECやD2Cでは、レビュー★1つの低下 = 数十万〜数百万円の売上損失につながるため、検品は“保険”ではなく“投資”と言えます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 少量ロットでも検品は必要?
はい。特に単価が高い商品やレビューが重要な商品は、小ロットでも検品した方が安全です。

Q2. AQLって何?
AQLは「どこまで不良を許容するか」を決める基準。全数検査ができないときに使います。

Q3. 工場が検品を嫌がることはある?
あります。契約書やPOに「検品条項」を入れておくとトラブルを防げます。

Q4. 自社検品と第三者検品、どちらが良い?
理想は両方の組み合わせ。重要な工程は第三者に、細かい仕様は自社で。

まとめ

  • 検品は「余計なコスト」ではなく「利益を守る投資」
  • 自社検品は“細かさ”、第三者検品は“安定性”が強み
  • 最適なのは自社と第三者のハイブリッド運用

中国輸入では、検品をどう設計するかが利益とブランドの信頼を分ける最大のポイントになります。

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