ロシアのフレーバー市場は、強度帯(ライト〜ダーク)と熱耐性の明確な住み分け、そして国内製造の厚みによって独自進化を遂げてきました。

本稿では Darkside/Starline(旧Daily Hookah)/Must Have/DUFT/BlackBurn の5ブランドを、設立年や製造体制、代表ラインの思想まで、現地情報に基づいて整理します。

1) Darkside(ダークサイド)— “UNWASHED/BOILED”のパイオニア

  • 設立・沿革:コーポレート起点は2012年。ブランドとしては2015年に「DARKSIDE」ローンチ、同年にニジニ・ノヴゴロドで製造を開始。さらにロシア初の“UNWASHED/BOILED”技術によるフックアタバコとして位置づけを示しています。
  • ブランドの骨子:濃色葉由来のコクと熱耐性を軸に、CORE(Burley+Virginiaの中強度帯)や実験的ミックス路線のXPERIENCEなどを展開。
  • ストーリー:輸入銘柄が主流だった時期に“国産×ハイストレングス”で一石を投じ、アクセサリーやアパレルまで広げる“カルチャー化”の動きを主導。

合う読者:濃厚×長持ちのセッションを作りたい中〜上級者/店舗。

2) Starline(スターライン)— 旧Daily Hookahのライト帯を継承

  • 正体と改名の背景Daily Hookahのリブランディング版Starline2022年、EU(ドイツ等)で製品名に“Hookah/Shisha”を含められない規制に対応するため改名。運営はDarksideグループ
  • 製品思想Virginia Goldベースの“軽さ”と扱いやすさが軸。ライト帯の“入口”として広く採用。
  • ストーリー同一の中核チームが強度帯の上下をDarkside(中〜強)/Starline(軽)で棲み分け、シーン全体の層を厚くしてきました。

合う読者:吸いやすさ重視/ライト帯でブレンドの“土台”を作りたい方。

3) Must Have(マストハブ)— ポガール工場×多国Burleyの安定設計

  • 設立・初出2017年のJohn Calliano展で初披露 → 2018年に販売開始(エクサイズスタンプ付)。製造はブリャンスク州ポガールの「Pogar Cigarette & Cigar Factory」(ロシア最大級の喫煙・フックアタバコ生産拠点の一つ)。
  • 製品思想7か国のBurleyを選抜ブレンドし、イタリアの高機能設備でトースト処理を施したベースを採用(公式記載)。Pinkmanはロシア/CISで最も売れる味と自称。
  • ストーリー老舗工場のインフラ×国際調達で品質の平準化に成功し、“毎日回せる”ミドル帯として一気に普及。

合う読者:中強度×運用安定を求める店舗・中級者。

4) DUFT(ダフト)— 2016年登場、“茹で×未洗浄”の新世代

  • 設立・初出2016年に登場。同年のモスクワInternational Hookah Picnicで強度系として話題化、2017年に全国の店頭に本格展開。その後は工業スケール&エクサイズ取得へ。
  • 製法と強度boiled, unwashedVirginia+Burleyを軸に、熱耐性と濃度を両立。2025年の再編情報ではPogar工場→Intro Groupの設備へ移行の言及も。
  • ストーリー“強め回帰”の潮流を牽引しつつ、女性向けコンセプトラインなど企画性の高い派生でレンジを拡大。

合う読者:強度×香りの立ちを重視し、ミントやスパイスで攻めたい層。

5) BlackBurn(ブラックバーン)— BURN社が育てた“ダークの看板”

  • 設立・沿革BURN社は2017年創業2019年にBlackBurnラインをローンチ2021年にモスクワ州で新工場稼働2024年はJC Awards等で受賞トピックを公表。リテール・HoReCa向けのトレーニング「BURN SCHOOL」などエコシステム支援を強化。
  • 製品思想3種のBurley強度・熱耐性・味の持続を訴求。遠隔販売禁止(国内規制)に沿い、店頭受け取り/工場受け取りを明示。
  • ストーリー:“製品+教育+コミュニティ”の三位一体で店舗の立ち上げ・運営を下支えし、国内外での浸透を加速。

合う読者:長時間でも味が落ちにくいダーク系を主力にしたい現場。

クイック比較(強度傾向/製法メモ)

体感はボウル・葉量・熱管理で変動します。

ブランド強度の目安製法・原料の要点
Darkside中〜強UNWASHED/BOILEDCORE=Burley+Virginia基調。
StarlineVirginia Gold基調。Daily Hookah→Starline(2022)
Must HaveBurley(7か国)+トースト処理(伊設備)、ポガール工場製。
DUFT中〜強boiled/unwashedVirginia+Burley、2016年登場。
BlackBurn中〜強3種Burley/熱耐性・持続、BURN社の主力ライン。

運用Tips(現地)

  • ブレンド設計:Starline(軽)×Darkside/BlackBurn/DUFT(中〜強)の比率で強度調整。ライト帯で“香り”、ダーク帯で“ボディ”を補完。
  • セッティング:ダーク系は多穴ボウル+HMDで熱を均一に当てると長持ちしやすい(一般的な現場知見)。
  • 国内規制の留意:BlackBurnなど遠隔販売禁止の注記があるため、正規ルート・店頭受け取りの導線確認を。

まとめ

ロシアの主要5ブランドは、設立背景と製法の違い味の方向性と運用のしやすさに直結しています。

  • Darkside:国産ダークの潮流を作った“技術と文化”の中核。
  • Starline:規制対応で生まれたライト帯の“入口ブランド”。
  • Must Have:老舗工場×国際調達で“安定供給”。
  • DUFT:2016年登場、強度×熱耐性で新世代を象徴。
  • BlackBurn:BURN社の“製品+教育”エコシステムで長時間運用に強い。

狙う体験(ライト/中/ダーク、持続時間、香りの方向性)から逆算して、基礎3銘柄+シーン別2銘柄といった“棚割り”を組むと再現性が上がります。

👉 仕入れや導入相談は Shisha Amigo