〜シーシャバーがリピーターを増やすためにできること〜
はじめに:なぜ「初回体験」が重要なのか?
シーシャバーにおける集客の多くは、SNSや口コミを通じた「一見さん」の来店です。
しかし、1回きりで終わるか、定期的に通う常連になるかは「初回体験の満足度」に大きく左右されます。
初来店時に「また来たい」と思わせる仕組みを整えることが、売上・集客の安定に直結します。そのためには初心者の不安を解消し、心地よい時間を提供することがポイントです。
1.初回限定の「導入体験メニュー」を用意する
初心者が抱きがちな不安
- 「どれを選べばいいかわからない」
- 「吸い方が合っているのか不安」
- 「フレーバーの味が分からない」
こうした不安を和らげるために、初心者向けのスターターセットを用意するのもひとつの方法です。
たとえば、選びやすいフレーバーを3種類組み合わせた「フレーバートリオセット」や、人気ランキング付きのメニュー表、スタッフによる丁寧な吸い方のレクチャーなど。こうした工夫があるだけでも、初めて訪れる方にとっては安心感につながります。
少し余談になりますが、初めてシーシャカフェを訪れたときのことが、今でも印象に残っています。
シーシャカフェに入店し、少し迷いながらフレーバーを選び、注文を済ませました。
注文したシーシャを吸っていて、しばらくすると、スタッフの方が「失礼します」と声をかけながら、私が吸っていたシーシャハンドルを取り、ふっと一吸い。
その光景を目の当たりにして、「あれ?ここでは、お客もスタッフも関係なく、シーシャをシェアするスタイルなの?」と、ちょっとした戸惑いと驚きを覚えたのをよく覚えています。
後になって、それが“味の調整”のためであり、吸い心地や香りの状態を最適に仕上げるためのひと手間だと知り、納得した、というエピソードです。
今振り返ると、あのとき「味の調整をいたしますね」や「調整のためハンドルを少しお借りします」といった一言があれば、初めての自分でももっと安心してお任せできたかもしれません。
小さな気配りが、初めての体験をより心地よいものにしてくれるんだなと、今ではとてもよい学びだったと感じています。
マウスピース選びも重要
初回体験では口に直接触れるマウスピースの品質も印象を左右します。安価な中国製使い捨てマウスピースの中には表面にバリが残っているものがあり、唇を切ってしまったり、フィット感が悪く煙が漏れてしまうといったトラブルが報告されています。このような不快な体験は二度と訪れたくない理由になりかねません。
このような不快な体験から、シーシャそのものに悪い印象を抱いてほしくない——そんな想いから、私たちは2024年に高品質な使い捨てマウスピース「Smooth(スムース)」を開発・発売しました。
Smoothは日本の食品衛生基準を満たすPP素材を採用し、最適な角度で密閉性が高いため煙漏れがなく、軽くて丈夫で高級感のある仕上がり。
一般的なハンドル形状にフィットするユニバーサルデザインで、表面はマット仕上げ、唇に触れる部分は光沢加工で口紅や油汚れが目立ちにくい。
さらにロゴ印刷が可能なため、店名を入れてノベルティやお土産にすることで、顧客が自宅で目にした際に次回訪問を思い出してもらう効果も期待できます。
初来店のお客様にこそ安全で快適なマウスピースを提供することで、良い印象とリピート率の向上につながります。
2.接客で差がつく「声かけとタイミング」
特に初回来店客には、積極的で丁寧な声かけが重要です。シーシャを吸い慣れていない方は、自分から「炭を替えてください」とは言いづらいもの。
スタッフの一言があるだけで、「ここは気遣ってくれるな」という印象を残せます。
よく使われる声かけ例
- 「お味はいかがですか? 調整できますよ」
- 「吸いにくくなったらすぐ呼んでくださいね」
- 「吸っていて味が薄くなってきたら、別料金でフレーバーを交換(トップ替え)することもできます。よかったら試してみますか?」
炭替えのタイミングやフレーバーの追加提案など、声かけのタイミングが良いと満足度が高まります。
3.お店の“個性”を見せる演出を忘れずに
リピートにつながるのは「味」だけではありません。空間全体でお客様の五感を楽しませることが、記憶に残る体験になります。
初回で印象を残す工夫例
- 個性的なグラスやボトルを使ったシーシャ機材
- BGMや照明、アロマなど空間全体の演出
- 写真映えする「映え席」や素敵な内装
- ミックスしたフレーバーに名前を付けるなど
物語性のある演出が「また行きたい」と思わせる動機になります。
4.「また来たくなる」仕組みをつくる
再来店を促すためには、継続的な関係を築ける仕組みを用意しましょう。
再来店を促すアイデア
- LINE公式アカウントへの登録特典:次回10%オフなどのクーポンを付与
- スタンプカード:3回で1台無料や、無料ドリンクチケット
- パーソナルメモ:吸ったフレーバーやお客様の好みを記録したメモを渡すなど
こうした「あなたのためのサービス」を提供すると、再訪のきっかけを作りやすくなります。
5.体験の記憶に残る“お見送り”の一言
最後の印象は、次回来店の確率を左右します。単なる「ありがとうございました」ではなく、会話を残すことが鍵です。
お見送りの例
- 「本日お試しいただいたフレーバー、お気に召しましたか?」
- 「次は○○系の味もおすすめですよ! またお待ちしてますね」
お客様の好みを汲んだひと言が、温かい記憶として残ります。
まとめ:初回来店=お店の“履歴書”
初めて来たお客様にとって、あなたのお店は「比較対象の1つ」に過ぎません。
その一度の体験で「また行きたい」と思わせられれば、“お気に入りの場所”として記憶に残ります。
心地よい環境づくり、丁寧な接客、五感を刺激する演出、再訪を促す仕組みを組み合わせることで、初回来店客を常連へと導くことができます。
要点まとめ
- 声かけとタイミングで不安を払拭する
- 味だけでなく空間演出で個性を出す
- 次回につながる「仕組み」を設ける(LINE登録・スタンプカードなど)
- 最後のひと言まで丁寧に、顧客の記憶に残る体験を提供する
最後に:新しいお客様こそ、丁寧に。リピーターになる“最初の一歩”を大切に。
シーシャカフェにとって、新しく来てくれたお客様はとても大切な存在です。
実は、「新規のお客様を1人獲得するコストは、リピーターを1人維持するよりも5倍かかる」とも言われています。
つまり、せっかく足を運んでくれたお客様に満足していただき、また来たいと思ってもらうことが、お店の成長には欠かせないんです。
シーシャの味、接客、空間の心地よさ。
最初の1回で「また来たい」と感じてもらえたら、そこからリピーターに、そしてファンになってもらえるかもしれません。
だからこそ、「はじめての来店客」こそ、スタッフ一同で丁寧にお迎えしていただきたいと思います。